2021年05月10日 18:49

CureAppは、同社が研究開発を進めるアルコール依存症治療アプリを用いた臨床試験が、岡山市立総合医療センター 岡山市立市民病院で実施されることを明らかにした。

対策の必要性が注目されているにも関わらず、アルコール依存症に対して有効とされる専門的治療を受けている患者は、国内では約5万人に過ぎず、100万人以上が未治療であると推定されている。この治療ギャップの原因として、専門の医療機関が少ないことに加え、患者が専門医療機関の受診に気後れすることが挙げられている。

近年、新しい治療法として注目される治療用アプリを用いて一般内科でアルコール依存症治療ができれば、これらの課題を解決できる可能性がある。すでに、米国では薬物使用障害向け治療用アプリがFDAからの薬事承認を取得。日本でも同社が開発したニコチン依存症向け治療用アプリが、2020年に国内初の治療用アプリとして薬事承認・保険適用されるなど、治療用アプリを用いた依存症の治療が実用化されている。

そこで、以前よりアルコール依存症の早期支援に取り組んでいた岡山市立市民病院と共同で、アルコール依存症患者に対する治療用アプリの有効性・安全性を検討するための臨床試験を実施が決定。研究責任医師の能祖一裕医師は、「将来的に本治療アプリが普及し、内科などで気軽にアルコール依存症治療を受けられることができるようになれば、患者の孤独な戦いを支援することが可能になる」とコメントした。