2021年04月02日 17:15

凸版印刷が運営する印刷博物館は、4月17日より企画展「和書ルネサンス 江戸・明治初期の本にみる伝統と革新」を開催する。
印刷博物館は凸版印刷が創立100周年を記念し、2000年に設立した公共文化施設。日本では江戸期から本格化する印刷出版が、古典の伝統をつなぐ大切な役割を果たした。たとえば「源氏物語」。平安盛期に紫式部が書き残したこのテキストは、原本が霧散した後も学者らによる校訂校閲が繰り返され、中世の間、数系統の手書き写本が書き残される。絵巻、能、源氏絵、奈良絵本への展開をみながら、江戸に華ひらく出版文化により、武家から町人まで広く「源氏物語」を楽しむ時代がやってきたのだ。今回、ギリシャ・ローマ古典を再発見したヨーロッパの文化運動ルネサンスに例えて、「和書ルネサンス」と呼んでみることにした。古典文学と印刷出版の関わりを、三部構成で検証していく。
展示資料は、第1部「『源氏物語』登場 ― 古典の復興」、第2部「出版がささえた庶民のユーモアと悲哀」、第3部「近代作家はどのように誕生したか」。
入場料は、一般800円、学生500円、中高生300円。会期は4月17日~7月18日(オンラインによる事前予約制)。休館日は毎週月曜日(5月3日は開館)、5月6日。会場は印刷博物館(東京都文京区水道1丁目3-3 トッパン小石川本社ビル B1F)。