2021年03月29日 16:28

凸版印刷は、総務省の委託研究「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発」を、2020年6月9日より実施している。今回この活動の一環として、アバターを活用した遠隔コミュニケーションと自動同時通訳技術を組み合わせた遠隔同時通訳の実証実験を、すみだ北斎美術館を始め、都内複数拠点で実施。来場者と説明員が対面で鑑賞した際と比較し、アバターを用いた遠隔での鑑賞で、説明員と鑑賞者間の円滑なコミュニケーションに必要なユーザーインターフェース(UI)の要件を抽出した。

具体的には、凸版印刷が2016年より取り組んでいる「IoA仮想テレポーテーション」と、総務省委託研究において試作した自動同時通訳アプリケーション(プロトタイプ)を使用して実証を行った。

美術館や企業ショールームに説明員(日本語)を置き、離れた場所に視聴者(英語)を配置。説明員はIoANeckを用いて展示解説を実施した。また、自動同時通訳アプリケーションを介して、説明員と視聴者は、それぞれ相手の発話内容を自分の母国語の音声として聞くことができ、さらに字幕による確認も可能とした。実施後、説明員・視聴者双方に対してアンケート調査を行い、UIに関する要件を抽出し、遠隔鑑賞、見学・視察の有用性を確認した。

今後、凸版印刷は本実証実験の結果を基にUIの機能向上を行い、国内および国外から博物館や美術館、企業ショールームなどに遠隔鑑賞や見学・視察、商談などが可能となるサービスの実用化を目指す。