2020年03月23日 10:17

ヘラルボニーは、日本ダウン症協会後援のもとダウン症のある作家・八重樫季良さんのドキュメンタリームービー「描き、続ける。」を国連制定の「世界ダウン症の日」である3月21日に発表した。
ほとんどのダウン症がある人たちには21番目の染色体が3本あることから「3月21日」が「世界ダウン症の日」として定められた。ダウン症のある人たちがその人らしく、安心して暮らしていけるよう、日本中・世界中でさまざまな啓発イベントが行われている。しかし本年はコロナウィルスが猛威を奮い、予定されていた啓発イベントやキャンペーンは中止が余儀なくされている。そこで福祉を軸とした社会実験を通して「知的障害」のある作家とともに事業に取り組んできたヘラルボニーは、「ダウン症」を取り巻く先入観を取り除くべく、自宅で視聴できるドキュメンタリームービーを発表した。
八重樫季良さんは、1956年岩手県北上市生まれ。ダウン症という先天性の知的障害がある。一見抽象的な幾何学パターンを描いたように見える絵だが、それは独自のアレンジによって描かれた建築物。この表現様式を八重樫さんは子どもの頃、誰に習うことなく独創によって生み出し、以来半世紀余りにわたってこのただ一つのスタイルで創作し続けて来た。本ムービーは2019年12月14日~25日まで開催された花巻駅自体をキャンバスと捉え直し、八重樫さんが描いたアート作品でラッピングするという日本初の実験的なプロジェクト「HANAMAKI ART STATION」の模様をドキュメンタリーに編集したものだ。