2020年03月19日 17:14

株式会社「理経」は、産学官連携によるVR(バーチャルリアリティ)システムの共同研究開発についての契約を締結した。実火災に近い状態で燃焼データを収集するため、「ニッタン」の技術支援を受け、東京理科大学火災科学研究所実験棟において4回の燃焼実験を行った。測定したデータをVRに移行してシステムを開発するのは国内初となる。
VR消防教育訓練シミュレーションシステムでは、建物室内を実際に燃焼させて火災を再現し、時間経過とともに推移していく火災現象を正確に捉えながら、消火活動との相互作用も含めて再現する。
また、実災害で消防隊はチームで行動するため、それぞれの隊員の視点を維持しながらチーム単位で活動できるようシステムを構築。さらに、感覚再現デバイス(実際と同様な感覚を得ることができる装置)を用いてシミュレーション。感覚情報を通して得られる状況判断のコツや非言語的なノウハウを抽出していき、心理的および医学的観点からの影響についても研究する。
理経では燃焼実験で得た詳細な測定データを基に、VR開発環境として「Unreal Engine」を使用し、温度を基軸とした熱の分布、煙の移動、火炎の挙動をリアルタイムに可視化できる技術開発に注力。今後、本開発成果を基に、多様な現場環境を再現し、ハプティクスなど最先端の要素も取り込みながら、産学官のさらなる連携により受傷事故や殉職者の減少につながる技術開発・社会実装を行っていく。