2017年08月18日 10:53

順天堂大学大学院の宮下保司特任教授らによる共同研究グループは、目にした物体が「なじみ深い」か「目新しい」かという相反する印象の判断が、大脳・側頭葉の神経細胞が出力する信号の増減によって決まることを、サルを動物モデルとした光遺伝学による神経活動操作で突き止めた。
細胞への光照射により大脳・側頭葉の神経活動を増加させると「見慣れている」という判断が増加。光刺激と電気刺激の比較により、側頭葉の神経活動の増減が、「なじみ深い」あるいは「目新しい」という、相反する印象を生成していることが示唆された。
この結果は、ヒトが、目に入る情報の価値を経験と嗜好に基づいて主観的に評価して行動するメカニズムの解明に繋がるだけでなく、側頭葉の異常による高次脳機能障害の診断・治療法の確立に貢献すると期待されている。本成果は米国Science誌8月18日号にて発表された。