2025年10月10日 19:37

駿府博物館は10月25日~2026年1月12日まで、特別展「Love Art Peace~きらめく立体切り絵とアートGETA」を開催する。本展では、伝統文化を独創的なアプローチで現代アートへと昇華させる2人のアーティスト、濱直史さん(立体切り絵)と鈴木千恵さん(塗り下駄アート)の作品を展示する。
濱直史さんは約13年間、「立体切り絵」という独自の表現方法を追求し続けている。紙を切った後に丁寧に折り上げることで生まれる彼の作品は、光と影を重要な構成要素とし、平面では表現し得ない驚くべき立体感を持っている。かつて音楽活動をしていた濱さんの作品は「見たことのないものを見る驚き」を鑑賞者に届ける。
鈴木千恵さんは、日本の伝統的な下駄を「キャンバス」として活用し、現代的なデザインを加えるアーティスト。靴デザインへの関心から、日本の固有文化である下駄に魅力を感じ、現代の感覚にマッチする大胆なデザインや立体的な装飾を施す。伝統を継承しながらも、下駄の新しい価値を創造する彼女の作品は、「履けるアート」としても注目を集めている。
本展のタイトルは、「アートを通じて愛や平和といった現代的なテーマを深く考えるきっかけを提供したい」という思いから名付けられた。互いに異なる分野・スタイルを持ちながら、伝統を現代に再解釈するという共通点を持つ二人が初めて共同制作した作品「共存共栄」を展示する。観覧料は高校生以上800円。