2025年10月08日 16:09

帝人フロンティアは、高い放熱性能と塗布面への密着性および、耐久性能を発揮する放熱塗料「ラジエックス」を開発した。本製品は電子機器および、一部の家電や産業機器、自動車部品などの電子機器が搭載された製品に放熱塗料として使用することで放熱のコントロールを実現。性能低下を抑制し、製品寿命を延長させることが期待できる。

半導体に電気が流れることで発生する熱による電子部品の温度上昇は、電子機器や電子機器が搭載された製品の寿命短縮や性能低下の要因となるため、熱制御の重要性が高まっている。さらに昨今、電子部品の小型化や高性能化が進んでおり、より効率の高い放熱技術が求められている。

従来、これらの熱制御には、TIMなどの熱伝導性が高い材料とヒートシンク(放熱板)などの放熱部材を組み合わせた部品が用いられてきた。これらの部品で放熱性を向上させるためには、ヒートシンクを大きくするなどの表面積を拡げる対策がとられてきたが、電子機器の使用できる空間は限られていることから、放熱性向上には限界があった。

この問題に対して、同社では、放熱部材や筐体などに塗布することで放熱性を向上させることができる新規放熱塗料の開発を進めてきた。そして今般、グラフェンを含む複数の高熱伝導フィラーと高耐熱樹脂を使用。高い放熱性と高温環境下における塗布面への高い密着性、および耐久性を有する放熱塗料「ラジエックス」の開発に成功した。