2025年10月10日 15:42

秩父の老舗食堂「パリー」は、存続の危機に瀕する国指定の登録有形文化財を維持するため、耐震工事費 4000 万円を募るべく、クラウドファンディングに挑戦する。

埼玉県秩父市の中心市街地で、昭和レトロな外観と空間を今に伝える「パリー食堂」が、建物の深刻な老朽化により倒壊の危機に直面している。1927年創業のこの食堂は、平成16年に国の登録有形文化財に指定され、地域住民のみならず、全国から訪れる観光客に親しまれてきた。しかし近年の耐震診断により、「大地震で倒壊の恐れあり」と判定。市からの補助は100万円にとどまり、自己資金のみでは存続が困難な状況。そこで今回、「地域の記憶と未来を守る」ための挑戦として、クラウドファンディングを10月16日より開始する。

「パリー食堂」は、年間で約2万人が来店する、秩父を代表する観光目的地の一つ。訪れる人々の多くは、食事を楽しむだけでなく、昭和の空気感そのままの建物、まちと共に生きてきた歴史そのものを体感しに足を運ぶ。またパリー食堂は2024年10月から、毎月第3金曜日に「こども食堂パリー」を開催。1年間で300人以上の子どもたちが来店し、食の支援と共に地域のつながりを生む場所となっている。

今回のクラウドファンディングでは、目標金額4000万円を掲げ、文化財の修繕・耐震補強にすべて充てる。返礼品には、パリーオリジナルステッカーやグッズ、記念木札、パリーオリジナル丼などを用意予定。

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