2025年09月08日 15:50

パナソニックとJX金属は、使用済み家電から回収した銅スクラップを再資源化し、パナソニックグループの製品に再び活用する循環スキームを共創、9月から運用を開始する。

パナソニックグループでは、使用済み家電4品目から回収した銅スクラップは、製錬業者等に売却することで、電気銅への再資源化を行っていた。しかし再生電気銅の自社製品への再活用の量は正確には把握できていなかった。そこでJX金属が新たに採用した、銅製錬プロセスにおける原料から製品までの物量管理の仕組みを活用。供給した銅スクラップ相当分の電気銅を確実かつ正確に製品へ使用することを目指す。

この電気銅は、「スクラップのみを原料としている」とみなすことができ、鉱石の採掘等にかかる多量の燃料や電力などが不要。そのため、従来に比べ地球温暖化ガスの排出量が大幅に削減された電気銅と考えることができる。

JX金属の試算によると、電気銅1t当たりでは、約2~3tの温室効果ガスの排出削減効果がある。これにより、パナソニックグループは従来よりもカーボンフットプリント(CFP)が大幅に低減された電気銅を安定的に調達し、銅製部品として製品に使用することができる。

今後、パナソニックは家電リサイクルを中心に銅スクラップの回収体制の強化、JX金属はリサイクル技術と管理体制の高度化を通じて、電気銅リサイクル比率の向上を推進。資源循環を共創するパートナーとして、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。