2025年07月29日 12:41

OVER ALLsは、住友商事の所有する岩波神保町ビルの外壁に、本棚にいるおじいさんと子どもを描いた、都内最大級の壁画を制作した。

ミューラル(壁画)アートカンパニーのOVER ALLsは、「ミューラルの力で、人々を表現者に変える」ことを目指して、全国各地で様々な作品を生み出し続けている。

本プロジェクトは、約3年前に住友商事より「神保町再開発プロジェクトについて話を聞いてほしい」との声がけから始まった。議論のなかで生まれたのは、建て直しを前提とした岩波ホールを含む岩波神保町ビルに対して「町の想いをどう残すか」という問い。同社は、住友商事、古書店連盟をはじめとした地元の人々とのワークショップや対話を通じ、町に息づく物語、本への深い愛情、そして日々の営みについて、耳を傾けてきた。その中で辿り着いたのは、「町に新たな表情を加えるだけでなく、そこに流れてきた時間や記憶を、子どもたちへ、未来へと受け継いでいきたい」という強い想いだった。

そこで、今回描いたのは、本棚で手を掛けるおじいさんと、手を伸ばす子ども。彼らの関係性や時代設定は、見る人の解釈に委ねており、例えば、同じ本を手に取ろうとしている別々の世代のおじいさんと子ども、過去に本を置いたおじいさんとその本を見つけた現代の子ども、あるいは、少年時代の自分と現在の自分——といったように、さまざまな情景が浮かび上がるような表現としている。

制作場所は、東京都千代田区神田神保町2丁目1-1 岩波神保町ビル。

OVER ALLs