2025年07月22日 19:42

大阪けいさつ病院は、7月22日、国内初となる手術支援ロボットの最新機種「ダビンチ5」を使用した直腸がんに対する低位前方切除手術を、消化器外科の院長補佐である竹政 伊知朗医師執刀のもと実施した。同院では、7月19日、今月発売された「ダビンチ5」を導入。今回手術で使用したこのロボットは米国製の手術支援ロボットで、第4世代の旧モデルである「ダビンチXi」の最新版になる。

「ダビンチ5」システムの特徴のひとつは、手術精度の向上。ダビンチ5専用鉗子を用いた「フォースフィードバック機能」により、よりリアルな触覚で、術者の操作精度の向上が見込まれる。また、150以上の設計みなおしによってより効率的なワークフローを実現。それにより術者の自律性が高まり、手術時間の短縮とラーニングカーブの早期向上が期待される。またAIによる手術データの解析により、術後の経過や治療方針の最適化が可能となる。

執刀医である竹政 伊知朗院長補佐によると、行われた直腸がん手術では、特に骨盤内の狭い空間で行うため非常に繊細な操作が求められるという。

進化したロボットの高精度な動作により、神経や臓器へのダメージをより抑えた安全な手術が可能となった。また、同院が導入したデュアルコンソール(コントローラー2台での操作)のもとではさらに術者と助手の連携が強化。AI解析機能の搭載などにより、次世代の外科医育成にも貢献されるものと期待されている。