2025年07月22日 09:05

津南醸造は、7月17日にホテルニューオータニ長岡で開催された「第30回新潟県酒造技術研究発表会」において、杜氏滝沢昌哉さんが「私の吟醸造り」をテーマに発表を行った。
本発表会は新潟県酒造技術研究協議会が主催し、県内酒蔵関係者を中心に約250名が参加。きき酒会、研究発表会、研修会が行われ、各蔵の最新技術や取り組みが共有される場として、酒造業界内で重要なイベントとなる。滝沢杜氏も登壇し、自身の経験と技術をもとに、津南醸造における吟醸造りの考え方や具体的な実践内容を発表した。会場からは多くの質問が寄せられ、活発な議論が行われた。
滝沢杜氏の発表「私の吟醸造り」では、津南醸造が掲げる「Brew For Future ~共生する未来を醸成する~」という理念のもと、資源循環(Circular Economy)、地域最適化(Local Optimization)、多様な価値への開放(Open to Diverse Values)という3つの方針に沿った取り組みを紹介した。
具体的には、製麹では「ひかみ吟醸用」の種麹を使用し、栗香を意識した枯らし気味の製麹操作や、手仕事による品温管理を徹底。酒母は協会1801号酵母を用い、酵素活性を最大限引き出すための温度・糖化管理を行い、醪管理では麹の酵素力価に応じたきめ細やかな調整を実施した。さらに、上槽後の出品酒についても、衛生管理や低温貯蔵を徹底し、理想とする酒質を追求している。