2025年07月03日 12:54

能登半島地震で被災した石川県七尾市田鶴浜地区では、伝統建具を活かした駅の再生と古民家修復を通じ、地域文化と暮らしを未来へつなぐクラウドファンディングを開始する。
能登半島地震の発災から1年半。伝統建具の産地として知られる石川県七尾市田鶴浜地区では、震度6強の揺れによって多くの木造家屋が倒壊し、まちの象徴でもあった格子戸の町並みや木の香りに満ちた風景が一変した。この状況を受け、地域住民と震災を機に集った復興支援メンバーらによって結成されたのが「たつるはま未来会議」。田鶴浜駅の跨線橋を伝統建具で再生するとともに、地域の記憶と人のつながりを未来に受け継ぐための拠点づくりを進めている。
今回、その活動資金を募るためのクラウドファンディングを、6月30日よりREADYFORにて開始した。第一の取り組みは、のと鉄道・田鶴浜駅にある跨線橋の再生。この場所は、学生が通学する際に日常的に利用されるだけでなく、まちの第一印象を形づくる「玄関口」でもある。
震災で解体された家屋から救い出された古い建具や、長年職人の技術が詰まった建具・組子の試作品などを再構成し、跨線橋の内装に使用。能登ヒバをはじめとした地域材と組子の伝統技術を用い、木材同士が接着剤を使わずに支え合いながら美しい模様を描く、「光と香りと記憶のトンネル」を創り出す。
職人・地域住民・学生など多様なメンバーが連携して施工を担うことで、田鶴浜の再生を視覚化するプロジェクトとなっている。詳しくはこちら。