2025年06月25日 16:34

今年で50周年を迎えた翻訳の専門校「フェロー・アカデミー」では、プロの翻訳者である講師20名にアンケートを実施。現場を知るプロならではの視点から、初心者におすすめの学習スキル、実践的な学習法、習慣のコツまでを網羅した調査結果を公開した。
まず「翻訳スキルの向上に最も役立った学習法・習慣は?」という設問に対しては、翻訳学校での学習(94%)が最も多く挙げられ、続いてプロの文章を読む(67%)、翻訳者同士の交流(50%)がランクイン。翻訳学校が1位となった理由としては、「体系的な学び」や「プロの添削が受けられる環境」が、独学では得にくい価値であることが伺える。またアンケートの自由回答からは、「英文法や語彙力の強化」だけでなく、自然な日本語表現や翻訳実務に必要な周辺スキルの重要性が多く語られた。
また、翻訳学習の行き詰まりやモチベーションが低下する局面をどう乗り越えてきたかを尋ねたところ、1位は「迷った箇所を保留にして、まずは最後まで訳す(72%)」だった。翻訳は粘り強さと同時に、適切な距離感や思考の柔軟さが求められる作業でもあることがわかる。
日々の翻訳実務に欠かせない教材やツールとしては、辞書・Webサイトといった「定番ツール」の利用が圧倒的だが、注目すべきは生成AIの利用率が6割を超えたこと。回答の中には使用目的までは明記されていないものの、翻訳学習や表現検討の場で少しずつ取り入れられていることがうかがえた。