2025年01月30日 15:47

産総研およびAIST Solutionsと、日本ガイシはこのたび、パワー半導体搭載部品などに使われる窒化ケイ素製セラミック基板の熱拡散率評価手法の検証に関する共同研究を開始した。
窒化ケイ素製セラミック基板は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のモーター制御用のインバーターなどに使われる絶縁放熱回路基板の中核を担う部品。パワー半導体モジュールが駆動する際に発生する熱を逃がす役割を担っており、基板が薄く熱拡散率が高いほど、パワー半導体モジュールの動作効率を向上させることができる。
EVやHEVの普及とともに、大電力に対応するパワー半導体モジュールが多く使われるようになり、放熱性能の高い薄板基板の需要も高まっている。一方で、0.5ミリメートルより薄い基板の熱拡散率の評価手法が規定されていないことから、測定結果の同等性確保が課題となっていた。
この共同研究では、評価手法に関する幅広い知見を持つ産総研と、高度なセラミック基板関連技術を持つ日本ガイシが、基板の熱拡散率測定に影響を及ぼす前処理工程の定量化に向けたデータ収集を実施。これにより、既存の日本産業規格(JIS)では規定されていない0.5ミリメートルよりさらに薄い高性能な薄板基板の評価手法を検証し、測定値の精度向上と評価手法の将来的な標準化に貢献する。