2024年10月09日 15:46

サンベークは、化石資源由来原料であるフェノールの一部を非可食バイオマス由来原料のリグニンに置き換えたリグニン変性フェノール樹脂「スミタック(R)PL-700シリーズ」の販売を開始した。

現在生産されている化学品の原料の大半は化石資源由来。世界的に石油消費量が増大する中、原料の価格上昇や枯渇リスク、大量の二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化などが問題視されてきた。これらの課題を解決するため、バイオマスからの化学品製造プロセスの基盤技術開発がこれまで盛んに進められてきたが、実用化に達しているものは少ない。

このような背景の下、NEDOは2010年度から2019年度まで二つの事業で、住友ベークライトと共同で、非可食バイオマス由来のリグニン成分を樹脂利用する技術を開発。サンベークでは、合板や単板積層材などの製造に用いられるフェノール樹脂接着剤において、化石資源由来原料であるフェノールの一部をバイオマス由来原料のリグニンに置き換えた「スミタック(R)PL-700シリーズ」を開発した。

本製品のバイオマス度は15%であり、既存製品と比較してカーボンフットプリントが17%削減されている。シリーズのうち 「スミタック(R)PL-701」は、日本有機資源協会の定める「バイオマスマーク認定商品」。木材を原料とする合板や単板積層材などは、カーボンニュートラルの実現に向けて今後も用途拡大が見込まれており、本製品の販売によりGHG排出量削減に貢献する。