2024年06月11日 12:59

VIE(ヴィー)は、ニューロテクノロジーを利用した視力回復訓練技術を開発することに成功し、詳細な結果が学術雑誌「Frontiers in Neuroergonomics」に掲載された。
視力には末梢性(眼球・網膜レベル)だけでなく、中枢性(脳の処理レベル)のものがあり、近視・老眼でも中枢性の視力を「知覚学習」と呼ばれる訓練により、ある程度上げられる。しかしながら、効果が出るまでに大量の訓練回数と期間が必要で、普及するには課題があった。
今回、ウェアラブル脳波計を使ったニューロフィードバック(NF)により視覚野付近のα波を増やした状態にすることで、極めて短いトレーニング期間でも、視力向上効果がみられるかを検証した。
その結果、実験前後での視力検査の結果を主要評価指標と項目とした結果、NF群のみで訓練2週目、向上した視力の安定した固着効果が見られた。NF群では、2週間で小数視力で平均0.16の向上が観察され、これは過去の研究における2か月間かけて45分×8日間訓練を行うのと同等の効果。また、より強いα波を訓練時に出せていた参加者は、次回の測定でより高い視力回復効果を維持していた。
以上のことから、α波を増強した知覚学習により、効果の固着を高め、短期間の訓練でも視力改善効果を得られることが示唆された。この成果を応用し、知覚学習とウェアラブル脳波計によるNFを組み合わせることで、多くのユーザーが気軽に視力向上の訓練を行える方法が普及することが期待される。