2024年05月20日 15:45

シキボウは、従来廃棄されているコットン素材を再利用したバイオマスプラスチックペレット「CottResin(R)」(コットレジン)を開発した。
繊維業界は大量生産・消費・廃棄のリニアエコノミーの典型となっている。国内の繊維製品の廃棄量は年間約73万トンとも言われ、その廃棄物の一部はリサイクルや再利用されているが、まだ大半が焼却や埋め立てられ処分されている。また、プラスチック業界においても、バイオマス化は海外メーカーへの依存が高いことや原料となる食物生産への影響が懸念され、ケミカルリサイクルは環境に対する負荷などの課題がある。
今回、従来廃棄されていたコットン素材をミクロサイズまで細かくし、ポリプロピレン樹脂と混ぜる開発を進める中で、ポリプロピレン100%の商品に比べて、物性が向上するデータを得た。本開発は、繊維業界およびプラスチック業界の課題解決に寄与するものと考える。
「CottResin(R)」は、物性のアップにより従来のプラスチック製品はもちろん、より強度や耐久性に優れた成形品が得られると期待される。また、物性のアップは薄肉化にも貢献し、樹脂の使用量削減や軽量化が見込める。
今後「CottResin(R)」は、プラスチックが使用される自動車部品、電化製品、建材などの幅広い用途が想定される。同社はこの技術を事業化レベルに確立するための取組みを進め、販売目標は3年後3億円を目指す。