2024年04月19日 12:46
DigitalBlastは北海道大学大学院理学研究院・藤田知道研究室と共同で、火星を模擬した環境下での植物メカニズム研究とその実用化に向けたプロジェクトを開始する。
微小重力下での植物生理実験は、2008年のISSの日本実験棟「きぼう」運用開始以来の16年間で12テーマしか行われていない。またその多くが発芽期あるいは幼植物体での実験で、植物育成と重力との関係性理解は非常に限定的。そのため、DigitalBlastでは、宇宙での食料生産につながる植物栽培に必要な基礎的知見を得るため、長年にわたり植物の発生や環境応答に関する研究を実施。宇宙実験実施の経験をもつ北海道大学大学院理学研究院・藤田知道研究室と、共同研究を行うこととなった。
共同研究のテーマは、月と火星を模擬した疑似弱重力下でのヒメツリガネゴケの細胞レベルおよび個体レベルにおける重力応答メカニズム解明。疑似弱重力環境を生成して植物を栽培することにより成長制御の鍵となる新規な遺伝子群を見出し、その制御網を解析。それにより、重力による成長調節がどのような分子機構により制御されるのかを明らかにする。
本研究により、将来的に人類が月や火星といった地球以外の惑星で食料となる植物を栽培する際に必要となる基礎的知見を得ることを目指す。また、最終的にはこの遺伝子制御系を人為的に操作することで、地上1Gや宇宙ステーション内、弱重力で成長が促進される植物を開発することも視野に入れている。