2024年04月12日 09:02

山形県村山市がふるさと納税の返礼品として出品している、みちのく村山農業協同組合の「雪室米」が人気を集めている。4月は1年を通して返礼品として米のニーズが特に高まる時期。新米の時期ではない春にも、雪室効果で新米の食味が味わえる。
村山市近辺は毎年1~2メートルほどの積雪がある地域。JAみちのく村山の雪室米は、地元の人たちが生活するにはやっかい極まりないこの雪を農業に利用できないかと考えたところから始まっている。そして1997年から雪氷冷熱エネルギーを活用した「村山市雪室施設」にて保管した「みちのく雪むろ米」を販売。2003年には当時、本州最大とされた「零温雪室倉庫」を建設するなど、米穀市場の高評価を得ている。
JAみちのく村山の雪室は、倉庫に1500㌧の雪を入れ、隣接したもう1つの倉庫に秋に収穫した新米を貯蔵。2つの倉庫は上部がつながっていて、空気が循環している。米を保管している倉庫は、温度が常に5℃に、また湿度も75%に保たれるため、古米臭の原因とされる脂肪酸度の上昇が抑制される。そのため、新米同様の食味と香りを長期間維持することができる。食味官能試験でも、粘り、柔らかさなどの項目で、通常の低温倉庫で保管した米を上回った。
村山市のふるさと納税の寄付額は2022年度に20億円を突破。寄付金は「子育てスマイルプロジェクト」と名づけた子育て支援施策などに活用している。