2024年03月27日 19:33

NTTとオリンパスは共同で、内視鏡の映像処理機能をクラウド上で実現するクラウド内視鏡システムの実証実験を開始した。
内視鏡は、先端の管を体内に挿入し、検査や組織サンプルの採取の際に使用される医療機器。その低侵襲性と高い安全性から適用領域は年々拡大しており、また高機能化も進んでいる。登場当初も体内をリアルタイムで見る事ができる画期的な装置だったが、最近では内視鏡撮影映像から病変の恐れがある部位を術者に提示するなどといった高度な支援機能を搭載。より安全かつ確実な病変部位の早期発見に貢献している。
一方で、現在の内視鏡は内視鏡内で全ての機能を処理しており、性能限界やメンテナンス性が課題。そこで、映像処理等処理負荷の高い一部の機能をクラウド上で分担する「内視鏡のクラウド化」が議論されている。
今回NTTのIOWN APN技術を活用することにより、クラウド上でのリアルタイム映像処理を実現する。オリンパスの内視鏡に対する高度な技術を活用し、内視鏡装置内で処理されてきた映像処理を遠隔地に設置されたクラウド上で実施するものだが、従来のネットワーク技術では実現が困難だった。
今回の実証実験では、実際の内視鏡とGPUサーバをIOWN APNで接続した実験環境を構築し、クラウド内視鏡システムのビジネス化にむけたリファレンスモデルを確立。内視鏡装置の処理性能の限界の克服やメンテナンス性の向上と同時に、柔軟で迅速な市場対応に貢献する。