2024年03月13日 15:25

九州大学、Carbon Xtract、全農、双日、三菱UFJ銀行は、分離膜型DAC(m-DAC(R))装置の施設園芸用途における早期社会実装に向けた連携協定を、3月13日に締結した。

日本の農業は、農業者の高齢化や労働力不足を背景に農作物の収穫量が減少傾向にあり、国内の生産基盤を維持するための対策が急務。一方で、地球温暖化は農業にも大きな影響を及ぼしていることから、農業者自らが、持続可能な農業に向けた環境負荷低減への取り組みを進めていくことが必要。Carbon Xtractおよび九州大学が研究開発する小型のm-DAC(R)装置は、施設園芸において、これらの課題に対するソリューションとして期待されている。

施設園芸では、施設内のCO2の濃度を高めること(施用)で植物の光合成が促進され、農作物の収穫量を増加する効果が確認されている。m-DAC(R)装置は、大気中のCO2を回収し、農業用ハウスなどの施設に設置した装置で施用。それにより作物の収穫量の増加のみならず、脱炭素化にも貢献することができる。

今後、全農が持つ研究施設などを活用し、施設園芸における最適なm-DAC(R)を用いたCO2施用装置の開発や実証を検討していく。また五者は、同装置の実装によるカーボンクレジットの創出も目指す。m-DAC(R)装置を日本全国の施設園芸に展開することにより、「農業の脱炭素化」と「国内生産基盤の維持・向上」の双方への貢献を推進する。