2023年12月19日 16:17

国立科学博物館 筑波実験植物園において、令和5年5月に開花した2個体のショクダイオオコンニャクを交配させたところ、結実し種子を得ることができた。種子をまいたところ、12月12日に発芽が確認され、次世代へと命をつなぐことに成功。栽培下で結実し種子が得られるのは世界でもまれで、日本では初めてとなる。

ショクダイオオコンニャクは、スマトラ島(インドネシア)の限られた場所に生えるサトイモ科の絶滅危惧種。「花」(植物学的には花序=花の集まり)は高さ3m、直径1mになるものもあり、世界でもっとも大きな「花」をもつ植物のひとつとされている。開花時は 独特の強烈な悪臭を放つため、世界でもっとも醜い花とも呼ばれている。

2023年5月に大小2個体が連続で開花し、19日に開花した小個体から20日に花粉を採取、27日に開花した大個体に人工授粉したところ、果実が成長する様子が観察されていた。11月上旬から花序上部の果実が赤く柔らかくなったため一部の果実を採取したところ、中に種子ができていることを確認。11月10日に播種したところ、12月12日に一部で発芽が見られ、発芽能力のある種子であることが確認された。

栽培下でショクダイオオコンニャクが結実し、種子が得られるのは日本では初めてで、次世代へと命をつなぐことに成功した。筑波実験植物園 特設ホームページにて、果実が成長する様子を紹介している。