2023年09月15日 19:11

帝国データバンクは、コロナ禍で注目を集めた「餃子無人販売店」の動向について調査・分析を行った。

コロナ禍で「ギョーザの無人販売所」が急激に増えてきた。店内備え付けの冷凍ケースから顧客が商品を取り出し、料金箱に現金を入れる無人販売スタイルの餃子専門店は、2022年度末時点で全国に1282店あることが分かった。コロナ禍の20年度末時点は131店と少なかったものの、以降は急激に出店数が増加し、22年度末までの3年間で約10倍に急拡大した。23年度は7月時点で全国におよそ1400店あり、店舗数は前年度に比べて増加した。

冷凍餃子の無人販売事業に進出した企業の進出時期(初出店時ベース)を見ると、最も多いのは「2021年度中」で、全体の6割がこの時期に参入した。また、こうしたビジネスに成功した企業が多いことから、22年度以降に新たに参入した企業も2割を占めた。

「冷凍餃子の無人販売ビジネス」は、手軽な調理で人気が高い「餃子」を、巣ごもり下の買いだめ需要を受けた「冷凍食品」としたことで、消費者に受け入れられる余地が広がった。

今後は、コロナ「5類」移行で外食需要が回復し、相対的に巣ごもり需要が一服するなかでの利用者層の拡大が市場維持のカギを握る利用者層の拡大余地は依然として残っているなかで、味や品質、価格に見合うこだわりといった、「無人販売」など話題性以外の誘客戦略が求められる。