2023年08月28日 09:57

ポケットサインは、宮城県と「原子力災害避難支援アプリケーションシステム導入・保守管理業務」に関する契約を締結した。
同契約の下、東北電力女川原発での重大事故を想定した「ポケットサイン防災」の実証実験が8月19日に宮城県登米市で行われ、女川町住民を含む50人が避難者役として参加した。実証実験の結果、避難車両に付着した放射性物質の検査場において、避難車両10台の通過にかかる時間がアプリ方式では約9分、従来手法では約15分となり、約4割の時間短縮を実現した。
「ポケットサイン防災」は、デジタル身分証アプリ「ポケットサイン」内のミニアプリ。マイナンバーカードを用いたデジタル身分証アプリなので、利用者の正確な情報のもと、避難先通知・個人別状況把握・名簿管理などを一本化でき、円滑な支援を提供できることが特徴だ。また、「ポケットサイン防災」は、デジタル庁が公開する「防災DXサービスマップ」にも掲載されている。
原子力災害を含む災害発生時には、速やかに避難を行いつつ、自治体側が正確に避難者の情報を把握する必要がある。しかし、従来の紙ベースの避難退域時検査等場所(以下検査場)・避難所チェックイン方法では、1.氏名・住所などの情報の記載に時間がかかる、2.大切な書類を紛失してしまう恐れがある、3.チェックインした住民を自治体がタイムリーかつ正確に把握できない、などの限界があった。そこで、同実証実験では、「ポケットサイン防災」を用いることで、迅速かつ正確な検査場・避難所受付を実現できるのか検証した。