2023年07月31日 19:27

「つなぐ、」をテーマに今年初開催となる「常磐線舞台芸術祭 2023」。7月31日に開幕し、「KEYNOTE SPEECH」を実施した。開幕に合わせ、飴屋法水さんたちによる「人は、見たものを」と、北茨城市磯原駅での展示「ここから『つなぐ、』」を追加プログラムとして発表する。

常磐線舞台芸術祭は、震災直後に南相馬へと活動の拠点を移したプログラム・ディレクターの柳美里さんが発起人となり、2018年に計画をスタート。2020年に実施を目指すもコロナ禍での中止を経て、5年越しで実現する。福島県浜通りを中心とした常磐線沿線の各地を会場に、14日間に渡って25のプログラムを実施。東日本大震災と原発事故によって大きな傷を負い、いまだにその痛みが残る地域で、地域本来の美しさや魅力を再発見し体感してもらうことを目的とした芸術祭となっている。

福島県大熊町、常磐線大野駅前、「更地」となった児童公園跡。東京よりこの地を訪れた「飴屋法水たち」。あの日あの時の「声」たちを、今、この街に反射させてみる。「人は、見たものを」では、そんな小さな試みの場に、立ち会うことができる。

茨城県JR磯原駅の展示は、今年のテーマである「つなぐ、」と、芸術祭ステイトメント「手繰り寄せる、線を」がモチーフ。常磐線舞台芸術祭のメインビジュアルを起点にした芸術祭の紹介とイメージ展示を、自由通路と待合所内で展開。青く伸びた線を辿っていきながら、常磐線舞台芸術祭の世界観を感じることができる。