2023年04月11日 19:29

国内外の環境NGO 90団体は、5月に広島で開催される先進7カ国首脳会議のホスト国を務める日本政府に対し、バイオマス混焼・専焼に対する支援を行わないことなどを要請する共同声明を発表した。
木材の炭素排出係数は石炭よりも大きいにも関わらず、日本政府は「カーボンニュートラル」とみなしており、バイオマス燃焼時のCO2排出量は計上されていない。このため、日本では現在、石炭火力発電でのバイオマス混焼およびバイオマス専焼転換が急速に進められている。日本政府も、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で石炭火力発電のバイオマス混焼設備を支援。そのほか、グリーン・トランスフォーメーション(GX)実現の政策として、石炭火力自家発電所等の燃料転換においてバイオマス混焼を推進している。
木質バイオマス燃料の大部分は、東南アジアや北米からの輸入が占めており、すでに木質バイオマス燃料を生産するために北米の天然林が皆伐される事例も報告されている。バイオマス燃料生産による森林減少・劣化や生物多様性喪失などの生態系への影響は計り知れない。
同団体らでは、バイオマスの混焼・専焼は、気候変動の加速や森林生態系の破壊を引き起こすグリーンウォッシュであり、看過することはできないと考える。そこでこのたび、バイオマス混焼を隠れ蓑に脱石炭を遅らせることのないよう、G7の議長国である日本政府に求めた。