2023年03月03日 19:52

国立科学博物館は、所蔵する標本・資料の更なる活用を推進するため、デジタル化した標本・資料をバーチャル空間で公開するプラットフォームを開設。そのプロトタイプの空間として、「たんけんひろば コンパスVR」を、3月3日より公開する。

同館では、研究成果や標本・資料を活用した展示やイベントを積極的に展開している。しかし、訪問が難しい人へのサービス提供や、収蔵庫から移動が困難な標本・資料の公開など、実空間における展示手法だけでは対応が難しい課題も。そこで近年著しく普及が進むVR やAR といった技術を活用し、標本・資料に基づく新しい体験をより多くの人に届けるというのが、今回の新たな取り組み。

「たんけんひろば コンパスVR」では、ティラノサウルスの全身骨格化石や動物のはく製標本の3Dデータを、バーチャル空間に「展示」。PC やスマートフォン、VR ゴーグルを用いて様々な視点から標本を観察できる。また、隠れているはく製を探して展示台に載せたり、動物のツノを正しく組み合わせたりするなど、バーチャル空間ならではの体験が楽しめる。

さらに、今回活用する「STYLY.biz」をプラットフォームとした空間は、メタバースとしても展開できるほか、スマートフォンやタブレットのカメラ機能などを使用したARとしての表現も可能。同館が所蔵する自然史標本や科学技術史資料の新しい活用、価値の創造を目指す、国立科学博物館の新たな挑戦となる。