2023年02月28日 11:59

Virtualion(バーチャリオン)は、学芸員資格取得者を対象に、バーチャル空間で展示設営を行うバーチャルキュレーター育成プログラムを開始した。
アフターコロナのミュージアムでは、遠隔でも閲覧が可能なVirtual技術を用いた仮想空間上での展示、すなわちバーチャル展示の重要性が急速に高まると予想される。しかし、バーチャル展示に特化した展示技術を持つスタッフの養成は進んでいない。そこでバーチャリオンは、バーチャルミュージアムを作成、運営可能なスタッフを養成する教育プログラムの提供を開始した。同プログラムでは、オープンデータを利用した展示作成、既存の資料を用いた展示管理や展示アーカイブ化、そしてオンライン上での展示公開などを行うための知識と技術を学ぶ機会を提供する。さらに受講者は、バーチャリオンが受注するバーチャル展示の作成に携わり、実際の展示経験を得ることができる。
バーチャルキュレーターは、国内ミュージアムの海外へ向けたPRや、バーチャル空間でのミュージアム資料の新たな活用といった可能性を広げる存在になることが期待される。また、学芸員資格取得者は年間1万人を数える一方、未経験での学芸員ポストへの就職はほとんど不可能であるのが現状だ。このように、専門技能を有した人々がその技術と熱意を活かす場を得られないという現状がある。同プログラムでは、バーチャル展示という場所や肩書に縛られない、新たな展示発信のあり方を学ぶことで、学芸員資格取得者が専門技能を活かす機会を拡大する。