2023年02月20日 09:05

岡山大学では、サケ稚魚のリモート自動計測実証実験に成功。AIを用いた空間計測技術で泳ぐ魚の自動計測が可能になった。

サケの親魚捕獲、人工ふ化、飼育、放流は資源保護を目的に半世紀以上行われており、サケの回帰来遊数を増やすための人工ふ化放流技術の発展が望まれている。回帰来遊数の増加には健苗な種苗放流が必須であり、健苗判断の一つである肥満度の確認は稚魚に麻酔をかけ、ノギスや電子天秤計を用いた計測に依存していることから、遊泳状態のサケ稚魚の自動計測技術が望まれている。

ふ化場で飼育されるサケ稚魚の体長は、30~40mmと小さいうえ、遊泳状態で稚魚の寸法自動計測は困難だった。岡山大学では複眼カメラの視差利用による空間計測技術を泳ぐサケの寸法計測に応用した自動寸法計測の研究を進めた結果、サケマスふ化場にて飼育管理されているサケ稚魚の寸法計測実証実験に成功した。

岡山大学の見浪護特命教授と高橋蓮也非常勤研究員は、ステレオビジョンを用いた空間計測について研究を行い、任意対象物の3次元位置姿勢を計測するコンピュータビジョン構築に成功。泳ぐ魚の3次元位置姿勢の計測が可能なためカメラ-魚間の距離が算出でき、魚の寸法を正確に計測できる。2月6日~8日の間、某民間ふ化場にて、泳ぐサケ稚魚の自動寸法計測実験を行った。計測実験の結果、複眼カメラを用いた新手法でサケ稚魚のサイズを計測できることが実証された。

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