
「一般社団法人漁業ブ」は、ブランディングを通じて持続可能な漁業を支援することを目的に、11月に発足した。
「漁業ブ」は、生産者から食の作り手・消費者までをつなぎ、ブランド化により水産資源の価値を高めるために、ブランディングやメディア、食体験、テクノロジーやデザイン、流通など異業種の専門家ネットワークを形成して支援を行っていく。主な活動内容は、「生産者と作り手・消費者をつなげ、新たな食体験価値を生み出す」「メディアやコミュニティを通じた発信、直接流通開発などブランド構築を支援する」「異業種の知見による産業化/高付加価値化を支援する」「持続可能な水産業のために「養殖」「資源保護」「魚種多様性」「鮮度加工/流通」などの価値を伝え、生産者や消費者、社会の意識を変えていく取り組みを行う」。
日本の漁業は、かつてない危機に瀕している。乱獲による資源枯渇と漁獲量激減、海洋温暖化による生態系変化。漁業従事者の高齢化と人材不足、事業継承の問題。テクノロジー活用による産業化や付加価値化の必要性。まさに、社会課題の縮図がここに顕在化している。持続可能な漁業に、いま黄信号が点っている。美味しい魚を、本当に食べられなくなってしまうときがくる。しかし、日本の漁業には大きな可能性があるはず。地域性と多様な魚種の生み出す、世界が憧れる魚食文化。類を見ない、品質と鮮度・美味しさへのこだわり。地域の自然と生態系を守り、ともに育てる共生の文化。そして自然と海に向き合う漁業体験の素晴らしさも。その潜在力は尽きない。その可能性を引き出し、新たな未来づくりを支援するのが、漁業ブの取り組みだ。