
パナソニック 空質空調社とヤンマーエネルギーシステム(ヤンマーES)は、分散型エネルギー事業の開発および販売で協業する。
「分散型エネルギーシステム」は、発電所から需要地まで電力を供給する代わりに、電気が使用される場所の近くで発電し、送電ロスなどの廃熱を抑えて電力を供給するシステム。今回のシステムでは、ヤンマーESの「マイクロコージェネレーションシステム」で発電する際に発生する廃熱を、パナソニックの業務用空調機「吸収式冷凍機」で空調に活用。それぞれの機器でシェアトップクラスの両社が、カーボンニュートラルに向けた環境経営の姿勢で共鳴し、同事業を通じて社会のエネルギー変革への貢献を目指す。
パナソニックが持つ吸収式冷凍機は、熱を動力源として気化熱を利用し冷暖房運転する業務用空調機。今回の協業により、マイクロコージェネレーションシステムと吸収式冷凍機を連携させ、廃熱利用の最大化による高いエネルギー効率を実現した分散型エネルギーシステムの提案が可能になる。既に環境への取り組みが進む大規模商業施設に続き、中小規模物件でも環境対応が求められる中、特に病院、学校、工場、オフィスビルなどを対象に、CO2排出量とエネルギーコストの削減に加え、BCP対応にも貢献する。さらに、吸収式冷凍機とマイクロコージェネレーションシステムの連携に必要な専用コントローラーを、業界で初めてメーカーが自社製品仕様に最適化して共同開発する。
12月から開始する群馬県大泉町のパナソニックの工場内における実証試験の後、2023年4月からの受注開始、2023年7月からの出荷開始を目指す。