2022年11月17日 15:35

株式会社「ひろの屋」および北三陸ファクトリーは、2016年より、うにの再生養殖事業開発を行ってきた。6年の年月をかけ養殖技術と飼料の開発を行い、2021年のテストマーケティングを経て、12月より再生養殖うにの販売を本格的にスタートする。

国内産のうに生産量は、ここ数年大幅に減少しており、全国的な「磯焼け」によって実入りが悪化。「磯焼け」は海の砂漠化とも呼ばれ、海藻が消失する現象だが、温暖化による海水温の上昇で、うにの活動が活発化。餌である海藻を、芽から食べ尽くしてしまう食害が原因の1つと考えられている。

北三陸ファクトリーでは、磯焼けを防ぐために駆除・廃棄されていた身入りの悪いうにを採捕し、うに用生簀に収容。2カ月から10週間の給餌することにより、身入り、色、品質を大幅に改善、天然と遜色のない美味しさを実現することに成功した。この、うに再生養殖の仕組みは、北海道大学らと6年以上の月日をかけて開発したもの。これにより、本来うにが流通しない秋冬にも出荷が可能になる。商品には、昨年より導入されたトレーサビリティシステムのQRコードが記載されており、製品の産地情報を入手することが可能。

うに用飼料「はぐくむたね」および、うに用生簀は、北海道大学らと協働により特許のライセンスを受けている。知的財産権を基に、磯焼けに悩む全国の地域、水産事業者に向け「うに再生養殖」の取り組みをさらに広げていく。