2022年10月27日 09:56

人文学オープンデータ共同利用センター(ROIS-DS CODH)は、2021年8月に公開した、世界初のAIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」が、日本デザイン振興会主催の2022年度グッドデザイン賞を受賞した。
スマホ・タブレットアプリ「みを」は、約100万文字の「くずし字データセット」を学習した、最新のAIくずし字認識技術を用いたアプリ。昔のくずし字資料をいつでもどこでも読んで学べるよう、カメラで資料を撮影しボタンを押せば、AIが数秒でくずし字を現代日本語の文字に変換する。AIによるくずし字認識技術の進展を反映し、誰もがその技術の恩恵を受けられるように直感的に利用できるアプリとして公開したことが、グッドデザイン賞として高く評価された。
「みを」はさまざまな場所で使われている。くずし字を読めない人々が古文書などの内容を知るために使うだけでなく、くずし字に習熟した専門家も現地での下読み(迅速な内容確認)に活用している。そして、教育機関における日本古典文学のためのくずし字学習、図書館・博物館・美術館などにおける資料内容の把握、市民による古文書の読み解きと地域の歴史の再発見などの目的に、アプリの利活用事例は拡大。AIが過去と現代を橋渡しすることで、文化遺産の利活用という社会課題の解決に新しい動きが生まれつつある。AIの支援により、多くの人々がくずし字を学び、古典を楽しむ世界の実現を目指して、ROIS-DS CODHは今後もアプリの改良を進めていく。
アプリダウンロードは、Android版およびiOS版共に無料。