2022年10月26日 15:49

Arithmerが開発した風力発電施設における心臓部(ナセル)内部の異常を検知するAIシステムが、高知県大豊町のユーラス大豊ウインドファームの自主点検装置として採用された。
風力発電は、大規模に発電ができれば発電コストが火力発電並みといわれており、経済性が確保できる可能性がある、現在期待されているエネルギー源の一つ。一方、故障や点検によるダウンタイムの発生や、万が一の風力発電施設の事故における社会的な影響、また風力発電機器のメンテナンス人材不足など、風力発電業界を取り巻く環境には対処すべき課題も。
これらの課題に対し、Arithmerでは、自社の持つ画像解析技術を活用し、ナセル内部についてカメラを用いて故障や事故の予兆を検知するAIを開発。このたび、ユーラス大豊ウインドファームに設置された風車8基へ正式導入された。
昇塔目視を当社AIシステムに置き換えることで、巡視業務を効率化し、人的リソースの負荷低減が図られる。それとともに、点検時に必要となる風力発電の稼働停止を回避することができ、稼働率の向上と、それに伴う発電量の増加を見込むことができる。また、従来は月に1度の自主点検時にしか気付きえなかったような変化(トラブル前の予兆)をほぼリアルタイムで発見することが可能。そのため、故障等が発生する前に速やかな対処が可能となり、ダウンタイムの発生が回避できる点でも、風力発電の稼働率の向上を見込める。