2022年09月29日 15:29

InnoJin、住友商事、イマクリエイトは、Virtual Reality (VR)を活用した小児の弱視患者向け治療用アプリの共同開発を進めることに合意。臨床研究用プロダクトが完成したことを明らかにした。

治療用アプリとは、デジタル技術を活用して特定の疾患の治療を行うソフトウェア。既存の医薬品による完治が難しく、生活習慣の改善や認知や行動の変容、器官を直接的に刺激することが必要な疾病への治療効果があると期待されている。治療用アプリは、医療機器として医師が処方するものであり、薬機法に則った承認取得後、保険適用も見込まれる。

3社で開発したVR弱視治療用アプリは、VR上で左右の眼に異なる映像を表示することで、アイパッチ治療と同等の治療効果の実現を目指す。VR弱視治療用アプリではゲームや動画視聴など、子どもが自然と夢中になれる内容で治療が行えるため、効果的かつ患者家族への負担が少ない治療の実現が可能。また、VR弱視治療用アプリでは眼と手の協応運動による立体視訓練も同時に行うことができる。さらにVR弱視治療用アプリではアプリの使用時間を記録することができるため、より効果的な治療計画の立案を可能とする。

弱視は視力の発達が障害されて起きた低視力を指し、眼鏡をかけても視力が充分でない場合を指す。子どもの約3パーセントが罹患する病気で、年間およそ3万人のペースで患者が増加している。3社は今後、治験および薬機法に基づく医療機器承認取得を進め、2025年度中の承認申請を目指す。