2022年09月09日 09:50

インターステラテクノロジズは、初号機打上げを目指して開発を進めている超小型人工衛星用ロケット「ZERO」打上げに対応した新射場「Launch Complex-1(LC-1)」が、北海道大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」内で着工した。

世界の宇宙市場は年々拡大しており、2040年には今の3倍近くとなる110兆円の巨大市場に成長すると予測されている。特に衛星を使ったインターネット通信サービスや地球観測などの分野で小型サイズの人工衛星の需要が大きく伸びており、2021年の世界の小型人工衛星打上げ基数は1743基と2011年の約30基から急拡大している。一方で、衛星を運ぶための唯一の手段となるロケットは世界の打上げ回数約140回(2021年)に対し国内では年数回にとどまっている。また、ウクライナ戦争の影響で世界の宇宙輸送の約2割を占めていたロシアのロケットを日本や欧米諸国は使えなくなるなど、宇宙輸送能力の強化が各国で急務となっている。

「ZERO」打上げに対応した新射場は北海道大樹町が整備し、2023年度の完成を予定。建設地は、打上げ方向の東と南が太平洋にひらかれ、空路や海路が混み合っていない点や高い晴天率など世界有数の好立地にあるのが特徴だ。本社や工場まで約7.5kmと、ロケットの製造・組み立てや運搬が容易な近距離に射場を確保しているのは同社の大きな強み。衛星打上げ事業者には自然豊かな北海道での快適な滞在環境を提供し、射場の面でも国際競争力のあるロケット打上げ会社を目指す。

インターステラテクノロジズ