2022年06月14日 20:00

大王製紙とリブドゥコーポレーションの2社は、使用済み紙おむつから構成部材のパルプ、ポリマー(高分子吸収体)、プラスチックを分離・回収。それらを資源として再利用するための共同研究に取り組むことに合意した。

日本の高齢化および要介護者の増加により、国内の紙おむつ生産量は、2011年の145億枚から、2020年では219億枚まで増加している。現在、これらの使用済み紙おむつは主に焼却処分されているが、水分を多く含む使用済み紙おむつの焼却処分は難しく、CO2の排出も課題に。

このような状況の中、環境省は2020年3月31日に自治体等を対象に「使用済紙おむつ再生利用等に関するガイドライン」を発表。そこで、大王製紙とリブドゥコーポレーションは今後さらに深刻化が予想される使用済み紙おむつの処理問題に対応するため、今回の共同研究開始に至った。本研究により年間6000トンの使用済み紙おむつの再生利用、および年間約1940トンのCO2排出量の削減をめざしている。

使用済み紙おむつから構成部材を取り出す技術については、トータルケア・システムより提供を受け、研究を進める。今回、トータルケア・システムが有するリサイクル技術をベースに取り出した再生パルプは、大王製紙の技術にて、紙おむつの原材料であるフラッフパルプやクレープ紙へ加工。それ以外の回収した構成部材は、大王製紙、リブドゥコーポレーション、トータルケア・システムの3社にて、紙おむつなどの吸収性物品への再利用もめざして検討を開始する。