2022年03月30日 10:00

三菱造船は、西日本で稼働する初めてのLNG(液化天然ガス)燃料バンカリング船1隻の建造契約をKEYS Bunkering West Japanとの間で締結した。

LNGバンカリング船とは、船舶向けのLNG燃料を供給するための船舶を指す。船舶のLNG燃料化は、温室効果ガス(GHG)排出削減を目標とした規制に対する一つのソリューションとして注目を集めている。本船は、国内のLNGバンカリング船としては初めて、主発電機関にLNGと重油の両方を燃料として使用できるデュアルフューエルエンジンを搭載予定で、ガスモード運転時には排出されるCO2、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、PM(粒子状物質)を大幅に削減できる優れた環境性能を備える。

KEYS社は、九州・瀬戸内地域における船舶向けLNG燃料供給事業を目的に、九州電力、日本郵船、伊藤忠エネクス、西部ガスの共同出資により2月に設立された合弁会社。本船は、三菱重工業下関造船所江浦工場(山口県下関市)で建造された後、2024年3月に完成・引渡しの予定だ。

三菱造船は、三菱重工グループが戦略的に取り組むエナジートランジションの一環として、これまでのLNG運搬船建造で培ったガスハンドリング技術や知見を結集させる。環境負荷の低いLNG燃料を取り扱う同事業を通じて、海洋システムインテグレーターとして海事業界における低炭素化を推進し、カーボンニュートラル社会の実現を目指す。

三菱重工業