2022年03月24日 18:45

PSTおよび神奈川県立保健福祉大学は、神奈川県のME-BYO BRANDにも認定されている「MIMOSYS(R)」の音声病態分析技術を活用。新型コロナウイルス感染症の患者の、音声と症状を分析する共同研究を実施してきた。この度、その中間結果として、新型コロナウイルス感染症の重症度分類である「軽症」と「中等症I」を判別する技術開発への見通しについての発表を行った。

本研究の中間結果として、本感染症の罹患者における軽症及び中等症Iの、音声による判別が可能であることが分かった。音声の読み上げは、13種類の定型文を読み上げる方法と、3種類の長母音を読み上げる方法の2パターンで実施。それぞれの判別精度を調べたところ、13種類の定型文を読み上げる音声による解析では、90.9%の高い判別精度で軽症と中等症Iを判別可能。さらに簡便な方法(3種類の長母音を読み上げる音声による解析)では74.2%の十分な判別精度で、軽症と中等症Iを判別可能だった。

本分析技術は、ヒトの機能や病態の違いによる音声変化を解析・判定する「音声病態分析技術」を元にしたもの。今回の研究結果を活用した技術を実装した場合、特に13種類の定型文を読み上げる方法においては、90%以上という高い精度で、軽症と中等症Iをスマートフォンのアプリ等で判別できることが期待される。

今後、判別精度の向上など実装化を目指した研究をさらに進め、本技術を実装したアプリ等の開発および普及の他、さまざまな事業体への技術提供を行う事業を進める。