2022年01月14日 15:00

東レは、原料のポリマーをすべて植物由来にしたナイロン510(N510)繊維を新たに開発し事業化をスタートした。

ナイロン繊維は、1930年代に米国で発明され、日本では1950年代初期に同社が先駆けて事業化した繊維で、しなやかで耐久性があり、しわになりにくく洗濯しやすい特徴から、アパレル製品をはじめ、様々な用途で長年使用されてきた。しかしながら、一般的に合成繊維の原料は石油由来であり、資源枯渇や地球温暖化などの地球環境問題から、原料の植物由来化が図られてきた。特に、昨今では、サステナブル社会実現への意識の高まりから、環境配慮型素材に対する要望がますます増え、さまざまな植物由来原料を使用した素材が開発、事業化されている。

同社は、バイオマス由来ポリマー素材・製品の統合ブランドである「エコディア」の新たなラインナップの一つとして「エコディア N510」の販売を開始。「エコディア N510」は、植物由来のセバシン酸(植物:ヒマ)とペンタメチレンジアミン(植物:トウモロコシ)を重合・紡糸してつくる、100%植物由来のナイロン繊維だ。「エコディア」統合ブランドで、原料のポリマーを100%植物由来にしたナイロン繊維の上市は今回が初めてとなる。「エコディア N510」の用途展開として、テキスタイルではスポーツ・アウトドア用途向けを中心に、薄地織物からカットソー素材まで、ファイバーではスポーツ・アウトドアからインナーレース・資材用途までアイテムを幅広く揃え、国内外のハイエンドゾーンに向けたサステナブル商材として提案する。

東レ