2022年01月11日 19:20

サンシャイン水族館では、水圧や水温に阻まれ、人が生身で居続けることができない深海について、水中ドローンを用いて定期的に調査を行っている。サンシャイン水族館では定期的な調査を通じて、深海生物の生きている状態の映像や生息環境など様々な情報を集めることで、生物展示や生物採集に活かすことを目標としている。

水深が200mを超える深い海では光がほとんど届かず、水深1000m前後では、太陽の光が海面の約100兆分の1しか届かない。深海生物の中には、浅い海から海底に沈んできた生き物の死骸や糞などの有機物をエサとして生きるものもいる。「深海にはエサが少ないので生き物はあまりいない」と考えられてきたが、今では少なくとも2500種類以上が生息しているとされている。普通の生き物ならば生きていけない過酷な環境だが、深海生物たちは環境に合わせて進化し、厳しい環境下にも適応して暮らしている。

過酷な環境での調査が難しかった深海において、人々は「探査機」と呼ばれる水中ロボットを開発し、資源開発を進めている。水中ドローンとは水中を自由に移動し、潜水・潜航しながら調査などができる小型無人機だ。操縦者は船上や陸上から遠隔操作による機体の操縦を行い、リアルタイムで撮影映像の確認やロボットアームで鉱物や生き物の採集調査ができる。サンシャイン水族館では小型で遠隔の操作性に優れた無人探査機「Dive Unit 300」を活用している。

深海生物に焦点を当てたイベント「ゾクゾク深海生物2022」を 1月14日~3月6日の期間に開催する。

水中ドローンで撮影した映像