2021年10月26日 12:48

DJI JAPAN、エネルギア・コミュニケーションズは、中国電力ネットワーク株の協力の元、日本一高い送電鉄塔がある大三島支線の海峡横断部の送電線点検の実証実験を実施した。

従来、送電線の外観点検は、ヘリコプターからの目視やカメラによる撮影と、地上や鉄塔からの作業員による直接目視で実施されてきた。そのため、コスト面や即時性、そして作業員の経験に頼るなどの課題があった。本実証実験では、マニュアル操作ではなくM300 RTKの自動飛行機能を使い、直径35mm送電線の点検を1.2kmの水平距離にて実施。事前に鉄塔及び送電線の点群データ(構造物の形状と位置)を取得したうえで、Zenmuse H20Tを使用して外観撮影を行った。

その撮影データを用いて、解析ソフトであるDJI Terraで正確な3Dモデル点群を生成。それをもとに、任意の離隔を保つ飛行航路とカメラ撮影設定を盛り込んだ自動飛行プログラムを作成し、自動飛行を実行。

その結果、M300 RTKの自動飛行による撮影は、従来の方法と比較して作業時間が大幅に短縮。また撮影データは、最大23倍光学ズームと有効画素数2000万画素のカメラにより撮影された高精細なエビデンスが取得できた。撮影データはリアルタイムで確認できることから、問題が疑われる箇所発見後の再撮影が即座に行える即時性も確認。安全面においては海峡横断部における強風に対しても、最大風圧抵抗15m/sのM300 RTKは安定して飛行できることを確認した。詳しくはこちら