2021年09月27日 18:09

京都の左京区にある出版社さりげなくは、お風呂で読む本「長湯文庫」を9月26日より出版する。
お風呂で読む本「長湯文庫」。撥水性のある紙を使用して、お風呂で読める本を作った。本が好きで、お風呂も好きな一人の編集部の「お風呂で読める専用の本があったら」というアイデアから、5年の構想期間のすえ、ようやく形になった。
長湯する感覚は、物語に没頭する感覚にどこか似ていると思っている。物語は、短編小説を中心に。身体の芯まで、じんわりと温めてくれる物語たちが揃う。お風呂で、もちろんお風呂以外でも長湯文庫を愉しめる。つい物語に没入してしまう(つい長湯してしまう)本作りを長湯文庫は、目指している。水に強い紙を使用しているが、湯船にともにちゃぽんと入ると紙がシワシワになってしまうので、注意が必要だ。
第一弾の「するべきことは何ひとつ」に掲載する物語は、作家モノ・ホーミーの「貝がら千話」より抜粋。遠く離れた惑星で起きていることのようにも思える、奇妙で、あたたかな物語たち。お風呂で読むのにぴったりな短編小説を、33篇収録している。浮遊感ただよい、思わず没頭し長湯してしまう本、「長湯文庫」。肌寒さが心地よく、お風呂の気持ちの良い季節にシリーズを出版していく予定だ。
9月26日の出版に合わせて、長野県松本の銭湯「菊の湯」で長湯文庫フェアを開催。菊の湯は、2020年の秋より、斜向かいにある喫茶兼本屋の「栞日」が、先代より事業を継承し、運営する。