2021年06月18日 13:51

菱熱工業は、食品を扱う工場・店舗の各部屋の気圧差(差圧)をiPhoneだけで手軽に測定し、衛生グレードに応じて4段階で判定するアプリ「差圧チェッカー」(特許申請完了)を開発した。

食品を扱う工場・店舗や飲食店では厳しい衛生管理が求められる。特に空気の状態は食品に大きく影響するので、部屋ごとのエアバランスの保持は重要だ。空気は気圧の高いほうから低いほうへ流れるため、たとえばサラダのトッピングをするような部屋の気圧を一番高くし(清浄)、次にパック詰めされた商品を置く部屋(準清浄)、その次が事務所や倉庫(一般)、といったレベルに分けて気圧を設定する必要がある。防虫対策にも有効だ。

同社は空調衛生設備等のエンジニアリング・コンサルティング・設計・製造などを行っている。食品工場向けの製品が多く、顧客から「手軽に差圧を測定できる機器が欲しい」と要望を受けていた。iPhoneに内蔵された気圧測定センサーの精度が上がってきたのを受け、今回のアプリ開発に至った。食品工場、食料品店や飲食店など食品を扱う場所を中心に広範な利用を想定しており、年間1万件のダウンロードが目標。今後の展開としては、「差圧チェッカー」の利用データを収集し、使い方やニーズを分析。温度や湿度といった多様な要素も取り込むなどして、食品工場の衛生状態を総合的に判定できる機器の開発を目指す。

アプリはApp Storeで無料公開(iPhone8以降の機種に対応)。

菱熱工業