2021年05月26日 17:41

Cellidは、大林組の建設現場において、独自のAR技術「Cellid SLAM」を用いて、作業員の3次元位置情報の取得に成功した。
建設現場の屋内測位技術に関する一般的な課題として、主にWi-Fiなどの設備構築に伴うコストが高いこと、屋内で大規模かつ複雑に日々変わりゆく現場での位置情報の取得や管理の困難さが挙げられる。それぞれの領域について、Cellid SLAMでは、BIM/CIMなどから構築されたデジタルツイン上にウエアラブル・カメラを装着した作業員などの位置情報を反映し、情報を統合する。
Cellid SLAMは、汎用単眼カメラで動作する汎用性の高い技術。センサーの代わりに画像データを活用する研究も進められているが、膨大な計算負荷に加え、現場での活用に耐える精度を確保することが難しく、実装には至っていなかった。今回、膨大な量の計算の高速処理と、自己位置推定の精度の両立を、Cellid SLAMが解決。
Cellid SLAMの空間認識アルゴリズムは、既に現場に導入されている汎用単眼カメラの映像のみが入力情報。非GNSS環境を含む大規模な建設現場において、GNSSやビーコンといった従来の自己位置推定技術を上回る測位精度を発揮することが確認された。将来的には、本位置測位技術とAR技術などとを組み合わせることで、「AR付箋」などの早期実現も期待できる。