2021年03月23日 17:46

イノカは、株式会社タマ、みらい株式会社と共同で、アコヤガイと魚類を閉鎖複合養殖し、真珠貝を救うプロジェクトを開始した。イノカは、IoTやAI技術を活用して生態系を陸上に再現する「環境移送技術」を研究・開発し、環境保全に取り組む東大発のベンチャー企業で、今回提案したプロジェクトは、閉鎖環境におけるアコヤガイと魚類の陸上複合養殖。

アコヤガイは真珠養殖に利用される「真珠母貝」の一つで、真珠を生み出す二枚貝。最近では貝柱が食用として高級料亭などでも提供されるようになった。しかし1999 年には、真珠貝の感染症である赤変病が発生し、全国のアコヤガイの斃死率は 75%になったとされ、生産量は 25 トンに落ち込んでいる。さらに近年、地球温暖化や水質汚濁により海での養殖が困難な状況に晒され、生産量は激減する一方。

そこで同社では、アコヤ貝を守るため、広島県で牡蠣に並ぶ新しい産業を生み出すことを考えた。本プロジェクトが採択されれば、エコな環境で養殖されたアコヤガイの身や魚類、その環境で作られた真珠で、広島からニューノーマルな先端産業を世界に発信することが可能になる。

なお、本プロジェクトは、広島県が実施するAI/IoT実証プラットフォームの事業構想「ひろしまサンドボックス」の実証実験「D-EGGS PROJECT」で1次選考を通過した。現在、2次審査のパブリック評価に参加中(評価期間:2021年3月31日まで)。詳しくはこちら