2021年01月15日 16:49

資生堂プロフェッショナルは、特定のアスコルビン酸誘導体とカチオン界面活性剤の組み合わせがヘアカラーに対して優れた褪色抑制効果を有することを発見した。
近年、市場におけるサロンヘアカラーのニーズが多様化していく一方、依然多くの女性がヘアカラー後の褪色に悩んでいる。同社が全国の10~20代女性、674名を対象に独自の調査を行ったところ、「サロンヘアカラーに、仕上がりの次に何を求めるか」という質問に対し、半数以上の人が「色持ちの良さ」と答えている。この褪色抑制のニーズに応えるべく、様々なアプローチで検討を重ねた結果、ヘアカラー後のシャンプーによる褪色を抑える成分の組み合わせを発見した。
今回、ヘアカラーの褪色を抑制する成分について様々な検討を行った結果、特定のアスコルビン酸誘導体とカチオン界面活性剤を組み合わせて配合したヘアカラー剤は、未配合のものと比べてヘアカラー後のシャンプーによる褪色を抑制することを確認した。このアスコルビン酸誘導体は毛髪表面のアミノ基と化学的に結合する。一方、プラスの電荷を持つカチオン界面活性剤は、ヘアカラー使用によるダメージでマイナスに帯電したアニオン部分とイオン吸着することが分かっている。これら2つの働きの相乗効果により、毛髪表面に疎水性の被膜を形成するため、毛髪内で発色した酸化染料の流出を抑制しているものと考えられる。本知見によって得られた技術を利用して優れた褪色抑制効果を有する色持ちの良いヘアカラー剤の開発が可能となった。この技術は今後、様々なヘアカラー製品に採用していく予定だ。