2021年01月05日 16:56

大和ハウス工業は、2018年4月に開発および実証実験を行っていた、鉄骨の柱や梁をロックウール・モルタルで耐火被覆吹付するロボットを、建設現場(神奈川県横浜市)の実工事に初めて導入した。

同社は、建設現場の人手不足解消および職方の負担軽減のために、2017年5月から鉄骨の耐火被覆吹付について自動化の開発に着手、2018年4月に実証実験を行い、性能の向上を図ってきた。今回完成した「耐火被覆吹付ロボット」は、産業用ロボットアームの位置や走行台車のタイヤの改善、昇降台車の構造の改良のほか、ロボットが作業を行う上で必要なデータ入力項目を削減するため、BIMと連動させることを想定した仕様に改良し、建設現場の実工事に初めて導入することとなった。

本機は、産業用ロボットアームと走行台車、昇降台車を組み合わせたロボット。鉄骨の柱や梁をロックウールやモルタルで耐火被覆吹付するには3人の職方を要す作業において、本機を使用することで、耐火被覆吹付作業全体に要する時間を実証実験時の約20%削減を上回る、約30%削減させることを可能にした。今後は、働き方改革の一環として「耐火被覆吹付ロボット」の複数現場への導入を目指し、改善や改良と運用体制の検討を進める。同社は今後も、技術者不足対策や労働環境改善のため、省力化や短工期化など生産性向上を図る新技術の開発に努める。

大和ハウス工業